こんにちは。現在東京都内でUberEatsの配達をしています。配達歴は2年になります。今回2024~2025年に起きた年末年始のUberEatsについて配達員の目線で書いていこうと思います。よろしければお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

目次

UberEatsの信用問題が明るみに

2024年の年末年始、UberEatsは大きな信用低下に見舞われました。これは激しい単価削減や配達員不足が重なった結果です。特に年末年始の期間中に配達員の不足が深刻化しシステム全体に大きな混乱を引き起こしました。


配達員不足と年末年始の問題

UberEatsは2024年12月に大幅な単価削減を実施。決定、配達員の稼働数を急激に減少させ配送がスムーズに行えない事態を招くことに。特に年末年始という繁忙期には多くの店舗で商品が配達されず大量の食品廃棄が発生しました。この影響により店舗側、お客様側の双方で大きな不満が噴出しUberEatsの信用は著しく損なわれました。

一方で一部の配達員は「超高額単価」通称クジラと呼ばれる遅延案件を狙う行動に。これは1時間以上遅延した注文に対する高額報酬が発生する仕組みを利用したもので結果的に公平性を欠く配達状況を生み出しました。


「超高額単価」が生む問題

「超高額単価」であるクジラ案件が頻発したことで通常の配達案件が避けられる事態に。全体の配達効率が大幅に低下しサービス全体の信頼性がさらに失墜。また低賃金の配達条件に不満を持つ配達員が稼働を断念する一方で、これらの高額案件を狙う一部の配達員が利益を得るという不均衡も生じることに。

このような状況は短期的な経費削減を優先した施策がいかにサービス全体の調和を崩し利用者や店舗に影響を与えるかを示しています。


調整金の廃止とその影響

2024年12月には配達に時間がかかる場合の補償として支払われていた「調整金」も実質的に廃止。これにより配達員が時間のかかる案件、受け取り主がなかなか現れずスムーズな受け渡しができないホテル、タワーマンションのような難易度の高い配達を敬遠する傾向が強まりました。その結果、特定の地域や条件下での配達が難しくなり利用者や店舗に大きな影響を及ぼしています。

調整金廃止の背景には「あえて遅く配達を行う」「配達を完了してもいつまで経っても完了操作をしない」などの不正利用の増加を抑制する目的もあったとされていますが適切な補償制度の再設計が必要です。これにより配達員のモチベーションを維持しながら利用者や店舗にとっても公平なサービスを提供することが求められています。


信用回復への課題

2025年1月8日からUberEatsは単価の改善や新たな報酬体系の導入など、配達員を呼び戻すための施策を実施。しかし年末年始に失った信用を回復するのは容易ではありません。実際1/11(土曜)にはいつもピーク時に注文でいっぱいの店舗が殆ど注文がないなど注文数がかなり減っているのを目の当たりにしました。信頼を失った定期利用者を取り戻すには時間がかかると予想されます。定期利用者は売上の基盤を支える存在であり彼らの離反はUberEatsにとって大きな痛手となっています。


デリバリーサービスの本質

デリバリーサービスは「利用者」「店舗」「配達員」の3者が相互に支え合うことで成り立っています。しかし今回の事例は配達員の待遇を軽視することで、どのようにしてデリバリーシステムのバランスが崩れるかを浮き彫りにしました。

今後、UberEatsは以下の点に重点を置く必要があります。

  1. 配達員の待遇改善: 適切な報酬と労働条件の提供。
  2. 利用者の信頼回復: 安定した配達体制の確立とサービス品質の向上。
  3. 店舗との連携強化: 配達遅延やキャンセルを減らすための仕組み作り。

これらの取り組みが成功しなければ、競争が激化するデリバリー市場での地位を維持することは困難でしょう。